コートヤードHIROOは2021年8月5日(木)~8月28(土)までの期間中、
”FUTURE MEMORY” Akira Fujimoto / Cannon Hersey を開催致しました。

本展示は、日米の2人のアーティスト(藤元明 / Cannon Hersey)が戦争や災害など歴史における喪失の記憶を、21世紀の記録技術を駆使し作品や展覧会に昇華。新しい体験として現代に提案するアートプロジェクトの一環でした。
本展覧会では、1945年8月6日の広島原爆投下と、その記憶に向き合い、2015年から制作されてきた作品群と、2019年より所有者不明の被曝資料の3Dスキャンデータをもとに制作してきた「NO NAME」(映像作品)の新しいシリーズ、新たな展開としてシルクスクリーンプリント・彫刻作品などの展示・販売を致しました。合わせて広島平和記念資料館(設計:丹下健三)の展示空間を3Dスキャンしたwebサイトwww1future.jp(2020)「Portlate of Museum」の建築外観を新たに3Dスキャンした新しいバージョンなど、モニタで閲覧する作品も展示されました。

◆今回の展示の全貌も3Dスキャンされており、こちらからご覧いただけます!
控えめに言ってとってもすごいです!!!!
来てくださった方、来れなかった方、ぜひ皆様にみていただきたいです。
https://www.1future.jp


この展示を通して、改めて戦争や災害などというテーマにアートが挑戦する意味と可能性を目の当たりにしました。

例えばブロンズの懐中時計の "explosion x ----- "という作品は、原爆の遺物として広島平和記念資料館で展示されているものですが、
目的をもって広島平和記念資料館に入館し、展示されている遺物を、資料として見学するという体験と、
その遺物を3Dスキャンし、モニュメント化したものにふと出会うという体験では情報を受け取る感覚や処理する脳が全く違ってくると思います。

原爆投下の日、空は晴天だったそうです。残っている記録資料はその多くが白黒写真ですが、今回の展示作品の中には、あの日誰かがみた景色にアーティストが色を付け、原爆や戦争の記憶が語られています。

戦争の資料が"誰かの記憶"を客観的に垣間見る機会ならば、これらを題材にしたアートはその一歩先に踏み込んだ主観を交えた追体験になることができるのではないかと強く感じました。

重いテーマでありながら、目を背けたくなる様な辛く苦しい歴史上の「戦争」とは少し角度が違う、よりフラットな状態で「平和への祈りや絆」を強く願うことができました。

コートヤードでの展示はあくまでお二人の壮大なプロジェクトの一環で、今後もこのプロジェクトは続いてまいります。
今後のお二人の活躍にも引き続き注目してまいりたいと思います。


Future Memory - 未来の記憶の物語
作家の田口ランディさんを迎えて、アーティスト(藤元明、キャノン・ハーシー) がFuture Memoryの意味、記憶とは何か、伝え るとは何かを掘り下げる対話を行い、YouTubeで配信します。
9月1日 (水) 10:00 AM (日本時間) = August 31 (Tuesday) 9:00 PM (New York)

ジョン・ハーシー「ヒロシマ」出版75周年 John Hersey’s Hiroshima 75th Anniversary
ジョン・ハーシー「ヒロシマ」がThe New Yorker誌に発表されたのが1946年8月31日。出版75周年を記念して、トークセッショ ンを開催し、ジャーナリストの津山恵子さん、Solly Granatsteinさんを迎えて、「ヒロシマ」の現代における意味、そのジャーナ リズムとしての価値などをキャノン・ハーシーと語り合います。