コートヤードHIROOガロウにて、松井祐生(関川卓哉) 個展 「The phony on the cliff」を開催致します。

作家が捉える写真、そしてその目から見えている世界は何か、じっくりと感じていただきたい展覧会となっています。ぜひこの機会にご高覧ください。

― コートヤードHIROO

松井祐生(関川卓哉) 個展 「The phony on the cliff」
会期:2024年1月26日(金)~2月12日(月)
Opening Party:2024年1月27日(土) 16:00~19:00
時間:12:00~19:00
休廊日:火曜日
入場無料


Talk Event
2024年2月10日(土)18:00~
Instagram LIVE @courtyard_hiroo
https://www.instagram.com/courtyard_hiroo
ゲスト:松井祐生(関川卓哉)、丹原健翔
詳細はこちら https://cy-hiroo.jp/topics/archives/6718
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僕はパンダになろうと思った。

テレビでパンダが不器用そうに岩場で転んだりしている姿を子どもたちがきゃっきゃと指指してはしゃぐのを見た。 一説では、パンダの愛くるしい丸っこい姿は生息する岩山の崖からで落ちてしまっても怪我をしないように進化した結果らしい。

僕は、似ていると感じた。
例えば僕は他の人よりウイルスが手につくのが嫌で日頃気をつける。誰が触ったかもわからないドアノブを触れずに「どうしようかな」と扉の前で不器用そうに除菌シートを取り出してじっとしている時があるが、たぶん人は珍しそうにそれを笑ってきゃっきゃしてくれる。

一般的な除菌剤にはよく「すべてのウイルスを除去するわけではありません。エンベロールタイプ1種で検証」と記載されている。エンベロープウイルスとは保護膜に覆われたウイルスを指すが、除菌剤に含まれるアルコールはこれらを溶かし、ウイルスを剥き出しにし不活性化させる。これで晴れて「除菌」が完了する。

この「膜」はウイルスが作り出すものではなく、感染した細胞から出る時、寄主(僕)の細胞膜で作ったものであるという。

さかなの子が好きな人と結ばれて人間となる映画がある。 あの子も膜で覆われていたな、名前はブリュンヒンデというらしい。その映画では、さかなの子の親のモデルはチョウチンアンコウらしいが、チョウチンアンコウのメスはオスを体の中に吸収してしまう。

ブリュンヒンデが好きになる人間のモデルとなった人は崖の下に住んでいるらしい。もしも崖の上で誰にも捕まらずに遊んでいたパンダが落っこちてきて、僕が彼ならば、僕は起き上がるパンダをきっと写真で撮るかもしれない、とふと思った。



松井祐生(関川卓哉)
東京出身。
駒澤大学法学部を卒業後、2016年写真新世紀受賞を機に独学で映像/写真/ペインティング/3D制作を始める。
近年はVR作品やインスタレーション作品などを中心に発表。
写真を「人固有の、各人が住んでいる記憶の壁(構造物)の一部」と仮定し、写真はその壁を破壊するヴァンダリズム的な行為(一枚の写真が象徴化/特別化するため)と考える。他方で、それらは人間にとって不可欠な行為であると考える。
尚、関川卓哉は実際に存在する高校の同級生で攻殻機動隊における「タチコマ」に近い感覚(脳がクラウドを共有し、知識と経験を同期できる感覚)。

主な展示
2016年「写真新世紀展」(東京都写真美術館)、
2021年「Mirrors And Windows/The Shape Of Images To Come」(銀座奥野ビル)、
2022年「BLeeDinG eDgE on PoST/pHotOgRapHy 写真は変成する2 選抜展」(京都芸術大学)
2022年 「Private House 生きられた家」
2022年「現代写真のアナキズム Ontological Anarchy on Photo」(日本橋アナーキー文化センター/ MIHARAYASUHIRO)
2022年「ソノ アイダ第7期#新有楽町/ I Count Three Bodies」(株式会社アトム企画、三菱地所、YAU協力)
2023年「踊りを忘れた身体のためのバレ/YAU OPEN STUDIO 2023」(三菱地所、YAU協力)
2023年「さよならアナーキー文化センター展」(日本橋アナーキー文化センター/ MIHARAYASUHIRO)
2023年 最終企画展示 『いつものソノ アイダ』(株式会社アトム企画、三菱地所、YAU協力)など
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